会長からのご挨拶

 この度、日本大気電気学会の第26代会長を務めることになりました王です。伝統と実績のある日本大気電気学会会長の使命と職責の重さを痛感し、大変身の引きしまる思いです。これから2年間、学会の発展に尽力していく所存ですので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 さて、私が日本大気電気学会の会員となっておよそ28年が経ちました。私が感じた日本大気電気学会の一番の長所は研究分野と発表者レベルにおけるとても大きな包容力です。地球・大気に関わる自然界での電磁気現象、雲であれ、地震であれ、大気イオンであれ、すべては、学会の範疇に含まれます。定例の研究発表会においては、ベテラン研究者による研究はもちろんのこと、最近話題のオープンサイエンスとして研究を始めた研究初心者や長年研究に携わってきた市民研究家の発表も大歓迎されます。さらに、当学会には、各研究分野における高度な専門知識を持つ研究者がそろっており、研究会や論文誌等を通じて会員にとってはもちろんのこと、社会に役立つ情報を積極的に発信しています。これらを踏まえつつ、私が第26代会長として、学会を運営するにあたり、運営委員一同、日本大気電気学会のよき伝統を継承しつつ、次の課題に取り組んでいきたいと考えています。

1. 大気電気学会論文誌の魅力化
 はじめに、近年、大気電気学会論文誌JAEへの論文投稿件数が減少してきているため、学会の専門性を維持するためにも、その減少を食い止めることに取り組むことが急務であると考えています。インパクトファクター付きの関連論文誌が多い中、JAEは、インパクトファクターはないものの、当学会の専門性を内外に知らしめるための重要な媒体です。そして、その内容もインパクトファクター付きの論文誌と勝るとも劣らないものと自負しておりますが、投稿数の減少により、その存続は年々厳しくなってきているという実情があります。これを打開し、さらなる魅力化を図るため、レギュラー論文に加えて、レビュー論文、特別招待論文、学生懸賞論文等、さまざまな形式の論文掲載の可能性を検討し、会員の皆様の知的好奇心を満足させることができるような施策を実行していきたいと考えています。

2. 大気電気学会研究発表会の活性化
 次に、研究発表会の更なる活性化を目指します。学会単独での研究発表会は毎年年明けに一度開催されています。会員の皆様の活発な研究活動を反映し、発表の件数が非常に多く、研究発表会の会期は、二日間の日程で開催しておりますが、各発表者の質疑応答の持ち時間が数分程度しかなく、議論を行う時間がほとんど確保できない状態です。研究発表会に参加している会員間で、さまざまな情報交換を行い、互いの意見、主張を明確にすることで、理解が深まり、学術の発展がなされるということを考えますと、議論にこそ研究発表会の大きな意義があるものと考えます。研究発表会の形式がこのままでよいのか、真剣に考える時期が来ています。

3. 社会貢献とアウトリーチ活動の推進
 最後に、日本大気電気学会の看板的な研究について、学会としての社会への貢献やそのためのアウトリーチ活動が求められているものと認識しております。このため、研究発表会における特別セッションやシンポジウム等を企画し、学会として積極的に対外発信していきたいと思っています。また、学会としての会員の社会貢献や国際交流を積極的に支援したいと考えています。当学会は、地震、雷、竜巻、大気汚染に関連するエアロゾルなど、社会的に関心の高い研究テーマを数多く包含しています。タイムリーな話題に関する知見の提供や講師の派遣などを通じて、積極的に関与していきたいと思っています。加えて、国際交流に関しては、現在でも会員個人のレベルでは盛んに行われていますが、学会としても何らかのバックアップをしていきたいと考えております。

 日本大気電気学会は、個人会員の皆様ならびに企業の賛助会員の皆様によって支えられております。会員の皆様方のご支援とご協力を引き続き賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。